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朝10時少し前。警察署の前に車を停める。夫と私そして姉と、父を迎えに来た。 私は認知症も手伝って意外とサバサバして父が出てくるかも知れないと想像していた。 もしかすると母を殴ったこともすでに忘却の彼方かも知れない。家に遊びに行くといつも 片手を上げて「おぉー」と迎えてくれるように、きっと気が抜けるほどニコニコして「おぉー」と 歩いてくるような気がしていた。刑事さんは自殺の心配までしてくれたけど (あの人に限ってそんなことはないだろう) そうも思っていた。 警察署に入って二階の刑事課のソファに座って刑事さんを待った。角の破れた古いソファー。暗い廊下。色んな家族がここで泣いたり苦しんだりしたんだろうなと思う。もう二度と座りたく ない気分だ。ガチャとドアが開いて、中から若い男が出てきた、手錠に腰縄姿である。真後ろ から刑事さんがぴったりくっついて階段を下りていった。 「リリリ・リアル手錠や…初めて見たわ。見たことある?ほんまもん」 夫に小声で話しかける 「おれ…?うーん。どっかで見たことあるんちゃうかな」 「どこで。そんなプレイの趣味あったん」 「ちゃうわ」 ふざけてないと気が重かった。父がどんな顔で現れるか不安だったのだ。 その後も何度かガチャとドアが開き、空振りを繰り返して、やっと担当の刑事さんが現れた。 「ご苦労様です。今からね、お父さん指紋採ったり写真を撮ったりするんでまだちょっと時間 かかるんですわ。で、その間にまた事情を聞かせてもらいたいんでご協力願えますか」 もううんざりだ、とは口が耳まで裂けても言えない。 「分かりました」 「お姉さんは今日初めて来られてるんでね。お姉さんにもお話聞かせてもらいます」 「よろしくお願いします」 姉と別々の取調室に入って、話を聞かれる。今回は父が家に帰った後のことを細かく確認 された。 「昨日、電話でも言うたんですが、お父さんとお母さんは同じおうちに住まないということで 大丈夫ですか」 「はい。そのつもりです。母は施設を探してもらいます」 「お父さんもここまで頑張ってきはったから残念やけどもね。一緒に住みました、また暴力 ふるいました、じゃ今回のことがみんな無駄になるからね。」 「はい」 「あとお姉さんと交代でお父さんをしばらく見守ってもらうということ聞いてますけど」 「夜間は姉が泊まって、昼間は私が実家に行くようにする予定です」 「お父さんも反省してはるからね。独りになるとどうしても悪い方に悪い方に考えてしまうことも あるからね。最悪のことになってしまうのは僕らも望んでないから」 「はい。分かりました」 もうこれ以上だれも悲しませてはいけない。まして愛の人である父に自殺をさせるなどという ことは絶対にあってはならない。 病院から母の検査入院を勧められたとき、私は「家族力」という言葉を口にしたが、実際には あの時は本当の「家族力」などなにも存在していなかった。 ただちょっと介護に首をつっこんだだけで、何だか大きな役割を果たした気になっていただけ のことである。でもこれからみんなで立ち向かう先にこそ真の「家族力」が存在するんだと 思う。 逃げ出したい気持ちをみんな抱えながら それでもそこから目をそらさずに何とか前へ 希望の光へ向かって歩いていくのが家族なのである。こんな状況になるまでそれに気づかな かったことは愚かではあるけれど、こんな状況になってこそ見えてきたものもたくさんある。 「後悔」からは何も生まれないが「教訓」からは知恵が生まれる。もう二度と繰り返さない、と いう信念を持つことが出来る。 「家族力」 そう。いまこそ「家族力」がみんなを支える心のよりどころになるのだ。
by chiroru-pu
| 2008-04-11 21:48
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