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60 年 後 の ロ ミ オ と ジ ュ リ エ ッ ト 老いという名の雪は 誰の上にも降り積もる それは確かに そして静かに 2008年二月 「中にどうぞ」 細面の優しい雰囲気の刑事さんが、ドアを開け私を呼び入れた。生まれて初めて入った 警察署刑事課の部屋の中。狭い室内にはデスクがぎっちり詰まっていて、人一人通るのが やっとだ。 今まで嗅いだことのない独特の臭い。 真昼だというのに薄暗い室内。 どこか遠くで電話が鳴っている。 テレビドラマの世界からは到底感じ取ることの出来ないリアルな重みを感じる。 そう「生ゴリさん」「生トミーとマツ」「生あぶない刑事」がここには実在するのである。 デスク前に座る大柄な刑事さんたちの横を、ただうつむいて 「すいませんすいませんすいませんすいません」 と、お辞儀の無駄遣いをしながら私は刑事さんの後を必死に付いていった。 そして室内の一番奥。角の部屋の前に着くと「ちょっと中で座って待っていて下さい」と 刑事さんは私を残したままどこか行ってしまった。顔を上げてドアの文字を読むと 「第二取調室」 と書かれてあった。 「第二分娩室」「第二理科室」「ラジオ体操第二」とは当然ながらその重みが全く違う。 動揺。 緊張。 興奮。 困惑。 尿意。 襲ってくる様々な感情の波を頭からざぶざぶと受けながら、その一方で「見たがり知りたがり 聞きたがりやりたがり」の性分が顔を出し始める。 鉄格子の入った窓。 面通し用の小窓。 何人もの容疑者の尻を支えたであろう古い椅子。 小さなロッカーにはへこんだ後がたくさんあった。 ここに湯気の立つカツ丼が登場すれば完璧である。 (…けけ・携帯で…写真…撮りたい……) 一期一会。 次に又ここに来る保証はないのである。。そんな場所だからこそ思い出作りが必要なのだ。 部屋の備品のすべて。そして「第二取調室」と書かれたドアの前で、自分も写り込んだ 画像がものすごく撮りたかった。出来れば署内で一番悪党顔の刑事さんとツーショットで。 許されるなら松田優作のように拳銃を斜めに構えた写真も一枚欲しいところである。 しかし現実には、これから私は重い重い現実と向き合うことになる。 怖い。でももう「何があっても驚かない」という気持ちにもなっていた。あれだけ立て続けに 想定外のことが起こったのだ。色んな絵の具を混ぜると最後は黒になってしまうが、私の 頭の中もそんな状態だった。きれいに色分けされたパレットからは程遠い、子どもが落書き に飽きてすべての絵の具をかき混ぜ最後は壁にぶつけた。そんなパレットだった。 私はカバンの中から携帯を取り出した。いや、いくらなんでもここで写真は撮れない。 電源ボタンを強く押して携帯を眠らせカバンの底に押し込んでいると、刑事さんが 「お待たせしました」と戻ってきた。そして私の向かいに座って、書類を机の上にさらさらと 無造作に広げると 「えーっと…実はですね…」 と言いながら私を見た。 心臓が沸騰直前の湯のようにぐらぐら沸き始めた。 (読み進む場合は一番下の <前のページ をクリックしていって下さい)
by chiroru-pu
| 2008-04-11 09:04
| 60年後のロミジュリ
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